先日、交通事故鑑定をされている会社のWebセミナーに参加させていただきました。
コロナ過の交通事故
新型コロナウイルス感染症の拡大により日本各地で緊急事態宣言や外出自粛の呼びかけが
行われたことで人出が減少し、それに伴い、交通量も減少しました。
そのため、交通事故の発生件数も2020年度は2019年に比べて7万件以上も減少しています。
交通事故が減ったことはとてもいいことですが、あくまで人出が減り、
母数が減少したからにすぎないと思います。
交通事故の件数だけで安心はできません。"飲酒運転"の件数や、
近年取り締まりの強化が行われている携帯などの
"ながら運転"による交通事故件数、また死亡事故率などに目を向けていくと
また違った背景が見えてくるのではないでしょうか。
コロナ禍の死亡事故率
今回のセミナーでは死亡事故率に焦点を向けコロナ過の背景について焦点を当てました。
冒頭でお伝えした通り、交通事故の件数は2020年、減少しています。
しかし、死亡事故件率は2019年の0.83%から2020年の0.92%へと高くなっています。
死亡事故率の増加の要因
では、なぜ死亡事故率は高くなってしまったのでしょうか。
その背景には、「新型コロナウイルス感染症の拡大」があります。
コロナ禍において死亡率が高くなった要因はいくつかあります。
まず、外出自粛により交通量の減少から速度超過が悪化したことが原因にあります。
交通量が減ったことにより、平均速度は5~10km/h程増加している傾向にあるそうです。
スピード違反による死亡事故率は法定速度内の12倍にもなります。
30km/hで衝突した際の致死率は約10%ですが、
50km/hで衝突した際の致死率は80%以上までにもなります。
上記に示した通り、速度超過が死亡事故に与える影響はとても大きいものだと感じられます。
また、速度超過以外にも指定場所一時不停止も死亡事故率に大きく関わってきます。
死亡事故の多くが歩行中や二輪車、自転車対車両の事故です。
歩行中の大半の事故原因が信号機のない横断歩道での車両の一時不停止で、コロナ禍で、
移動手段などの変化により悪化したと思われます。
まとめ
今回のセミナーに参加し、多くの事故が一人一人の意識で
防ぐことのできるものが多いと実感しました。
速度超過、指定場所一時不停止それぞれに違反してしまう理由はいくつかあるかもしれませんが、
急いでいたり、コロナ禍の普段とは違う状況になったりした際に無意識で違反してしまうことも
誰にでもありうることだと思います。
道路交通法が、自分も相手も守ることであると意識していくことが道路交通法違反を防ぐこと、
そして事故という最悪の事態を防ぐことに繋がっていくのではないでしょうか。